新しい記憶のカタチ~ニューヨーク現代美術展~

新しい記憶のカタチ
~ニューヨーク現代美術展~

2010 8.31 - 11.14

Barnaby Furnas "Concert " (detail), 2009, 264x427cm, coloured pencil, water dispersed pigment, Saral transfer paper and acrylic on linen
Press Release

この度、笠間日動美術館(日本館1F)では特別展「新しい記憶のカタチ~ニューヨーク現代美術展~」を開催いたします。自己の表現の新しさを常に模索し続ける街、ニューヨークで現在活躍する6名の作家の代表作を、インディペンデント・キュレーター渡辺真也氏のテキストによりご紹介します。
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世界中から様々な人種のアーティストたちが集まる街、ニューヨーク。そのニューヨークのアート界は、表現における新しさを常に模索し続けています。

第二次世界大戦以降、アートシーンの中心がパリからニューヨークへと移り変わっていく際、ジャクソン・ポロックらに代表される新たな表現が、抽象表現主義としてニューヨークに成立しました。以降、アンディ・ウォーホルに代表されるポップ・アートや、コンセプチュアル・アート、ミニマル・アート、パフォーマンス・アート、インスタレーションなどの様々な表現手段が、現代美術というジャンルとしてニューヨークにて花開きました。

世界中からニューヨークへと集まった、多様な記憶を抱えたアーティストたちは、現在も変わることなく、自らの表現の新しさを競い合っています。個性豊かなアーティストたちが生み出す新しいカタチは、今回の出品作品の様に、時には歴史や人間の根源的な記憶へと想像力を誘うこととなります。

色鮮やかな粉末顔料をまぶして構成したイメージから、歴史的絵画を再現するブラジル人作家、ヴィック・ムニーズ。ブラジル人の母とドイツ人の父の間に生まれ、神話的な世界を描き出すジャナイナ・チェッペ。そしてロック・コンサートにおけるエクスタシーの瞬間を、あたかも宗教画の様に描き出す、フィラデルフィア生まれのバーナビー・フルナス。コンピューターグラフィックを駆使して動物的な姿となった人間「マニマルズ」を生み出す中国生まれ台湾育ちの作家ダニエル・リー、さらにアメリカの人種問題を扱ってきたブラッドレー・マッカラムとジャクリーヌ・タリーによる、日本における1968年をテーマとした作品からは、人間の根源的な記憶、というテーマを読み取ることができます。

自己の表現の新しさを常に模索し続ける、そんなニューヨークという街から生まれた、アーティストの記憶と想像力から生まれた新しいカタチ。そのカタチは、私たちの日常の風景さえも一変させてしまうかもしれません。想像力を働かせながら、ぜひご鑑賞下さい。

2010年8月
インディペンデント・キュレーター 渡辺真也

<開催概要>
会場: 日本館1F
休館日: 毎週月曜日(但し9月20日、10月11日は開館、9月21日、10月12日は休館、11月1日は特別開館)
入館料: 大人1000円、大学・高校生700円、中学・小学生500円、65歳以上800円
65歳以上の笠間市民は無料 *北大路魯山人展、藤島武二展、常設展ともご覧いただけます。
主催: 財団法人日動美術館
協力: 東京レストランホールディングス株式会社、橋本勝久

<お問い合わせ>
笠間日動美術館 茨城県笠間市笠間978-4      
電話 0296-72-2160 FAX 0296-72-5655 
URL http://www.nichido-garo.co.jp/museum/
E-mail k-museum@nichido-garo.co.jp

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