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フューチャーエコー2025.7.26 - 9.13Upcoming:7/26~ |
Carried from Below | 2025 | 18 x 24 cm | Oil on linen | ©Crystal Lupa |

会場:nca | nichido contemporary art
会期:2025年7月26日(土)~ 9月13日(土) 営業時間:火 – 土 11:00 – 19:00 (日・月・祝 休廊)
オープニングレセプション:7月26日(土)17:00 ~ 19:00
作家: ブスイ・アジョウ / 井上亜美 / クリスタル・ルパ / ワンゲシ・ムトゥ / しまうちみか
nca | nichido contemporary art は5名の女性アーティストによるグループ展、「Future Echoes フューチャーエコー」を開催します。
本展では身近な暮らしを軸に、女性のジェンダーの視点から人間と自然の関係、環境、移動やアイデンティティーを考察します。
ここ数年の急速なグローバル化、それに伴う公害、気候変動、労働問題、人権侵害、政治的分裂など世界が変貌していく様を目の当たりにしたアーティストが、各々が置かれた環境と経験を、探求を通して多角的な視点からみることを促し、対話の場を築きます。
政情不安から逃れるため、幼いころにミャンマーからタイへ移り住んだブスイ・アジョウは、アカ族である自身の経験、伝統や風習、現代の暮らしを絵画や彫刻で表現しています。ただ伝統を語り継ぐだけではなく、女性として、母としてのアジョウの視点から今も変わらずに続く家父長制社会への抵抗、貧困等の問題を明確に提示しています。
井上亜美は京都の山里に住み、1年を通して養蜂や狩猟を継続的に取り組みながら写真や映像、インスタレーション作品を制作しています。実践を通して自然と向き合い、生態系を学びながら人間と生き物の関係、現代における自然共生社会の在り方を模索し、作品に表します。本作品では、猟をおこなう上で、必要不可欠な猟犬の成長を記録した最新作の映像インスタレーションを発表します。時代とともに生物学的のみならず、人と動物との関係も進化しています。狩猟犬の育成を通して、自然の変数に柔軟に対応し、新たなビジョンを創造します。
アメリカで生まれ、現在台湾を拠点にするクリスタル・ルパは、現実や夢での人生経験を基にイメージへと転換します。東洋の神秘主義や幻想文学を彷彿させるルパのペインティングは、原始的で叙情性があり、また対象の心理状態をも浮き上がらせます。内なる空間を視覚化することで、自己やコンプレックス、影、また文化や時代を超えて人類に共通して存在する集合的無意識を探求します。
パフォーマンス、彫刻、インスタレーション、コラージュ等様々なメディアを用いて制作するケニア系アメリカ人のワンゲシ・ムトゥの作品には、常に女性が関係しています。女性型ロボットや、女性の身体と植物、クリーチャーが一体化したハイブリット人間など、それらすべては、女性の身体が、文化がその価値、欲望、嫌悪の感情を表現する強力な場所であること、人が本質的にある女性の存在を示しています。
しまうちみかは新型コロナウイルスや大地震の経験から、地域に根付く多様な形態の風習や宗教的な背景、祭事に興味を持ち、フィールドワークを重ねてきました。人々がはるか昔からどのようにして様々な困難を乗り越え、地域に住み続けてきたのか、異世界からやってくる来訪神や先祖の存在(まれびと信仰)などさまざまな神話や語り継がれた物語から現在置かれた環境、問題に柔軟に対応し、変化を求め絵画や彫刻、インスタレーションで表現します。
異なる環境、文化背景を持つ上記アーティストがそれぞれの場所からさまざま困難や課題に立ち向かい、強い意志を持って自身の道を切り開きながら未来を創造します。
ブスイ・アジョウ | 1986年ミャンマー生まれ、現在タイのチェンライを拠点に活動。
主な個展に、「アママタ」 nca | nichido contemporary art / 東京 (2023)、Mother of the World」 BANK- MABSOCIETY / 上海 (2022)、主なグループ展に「Berlin Biennale13 - passing the fugitive on -」 Former Courthouse Lehrter Straße / ベルリン (2025) 、「The Ancestos – curated by Kohkae Collective」 MAIIAM Contemporary Art Museum / チェンマイ・タイ (2024)、「AWT FOCUS/ Earth, Wind, and Fire: VISIONS OF THE FUTURE FROM ASIA – curated by Mami Kataoka」大倉集古館 / 東京 (2024)、「Bangkok Art Biennale – Nurture Gaja-」 BACC / バンコク・タイ (2024)、「タイランド・ビエンナーレ チェンライ」 / チェンライ (2023)、「Every step in the right direction, Singapore Biennale」 シンガポール (2019)など。
井上 亜美 | 1991年宮城県生まれ、2016年東京藝術大学大学院映像研究科修士課程修了。京都在住。
里山に拠点を置き、一年を通じて狩猟や養蜂に継続して取り組み、作品制作を行う。
日常的に猟犬や蜜蜂などの生き物と触れ合うなかで、彼らとの関係性、その距離感をエスノグラフィックな視点で捉え、写真や映像、インスタレーションなどの手法で表現する。養蜂業として「蜜蜂荘」を、共同アトリエとして「蜂の巣」を運営。現在、京都芸術大学非常勤講師。
主な個展に、「The Garden」京都芸術センター (2023)、「The piercing eyes」Amado Art Space/ソウル市 (2019)など。主なグループ展に、「第14回麗水国際芸術祭」麗水市/韓国 (2024)、「第21回シドニービエンナーレ」コッカトゥー島/オーストラリア(2018)、「コンニチハ技術トシテノ美術」せんだいメディアテーク(2017)など。
クリスタル・ルパ | 1989年カリフォルニア生まれ。
ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校でファッションデザイン・レディースウェアの学士号を取得。
現在台北を拠点に、絵画、イラストレーション、彫刻、ファッションデザイン、作曲などの幅広い分野で活動している。
主な個展に、「PHOSPHENE REVERIE」 GLASS RICE / サンフランシスコ (2025)、「TEMPORAL DIALOGUE」 GALERIE OVO / 台北 (2025)、
「EXOTICA」 Asia Art Center / 台北 (2024)など。主なグループ展に、「THE RIVER NEVER RUN DRY 」 GLASS RICE / サンフランシスコ (2025) / 「Soft Glistening Lights -Crystal Lupa & Monika Marchewka」 HIRO HIRO ART SPACE / 台北 (2024)、「The Grand Exhibition of New Taipei City Artists」YINGGE CERAMICS MUSEUM / 新台北市 (2024) 「Transgression thought the Volatile World 」 Asia Art Center / 台北 (2021) など。
ワンゲシ・ムトゥ | 1972年ケニア・ナイロビ生まれ、現在米国ニューヨークとケニア・ナイロビで活動。
2000年イェール大学美術学部彫刻科修士課程修了
1996年クーパー・ユニオン(ニューヨーク)卒業
1991年アトランティック・カレッジ(ウェールズ・イギリス)卒業
最近の主な個展に、「Black Soil Poems」 / Galleria Borghese / ローマ (2025)、「Wangechi Mutu: Intertwined」 New Museum / ニ
ューヨーク(2023)その後ニューオーリンズ美術館に巡回 (2024)、「Wangechi Mutu」 Storm King Art Center / ニューウィンザー(2022),
「Wangechi Mutu: I Am Speaking, Are You Listening?」リージョンオブオナー / サンフランシスコ・アメリカ (2021)年、「A Promise to Communicate」
Institute of Contemporary Art / ボストン (2018)、「Wangechi Mutu: The End of eating Everything」 Blanton Museum of Art,オースティン・テキ
サス (2018) 他、世界中の美術館や国際展で発表している。
しまうち みか | 1987 年 熊本県生まれ、在住。
2013 年 崇城大学大学院芸術研究科彫刻専攻修士課程修了
主な個展に、「辺境の宇宙」Marueido Japan / 東京(2024)、「火についてのドローイング/しまうちみか」Under Construction Center / 福岡 (2022)、「 ゆらゆらと火、めらめらと土」国際芸術センター青森 ギャラリー A /青森 (2021)、「秋の種2020『しまうちみか展 自立について 世界は想 像した以上に私を受けいれてくれるはずである」福岡 アジア美術館 企画ギャラリー C / 福岡 (2020) など。主なグループ展に、「VOCA2024 現代美術の展望 - 新しい平面の作家たち」上野の森美術館 / 東京 (2024)、「KAWAKYU ART Exhibition 2022『実在する夢』」川久ミュージアム / 和歌山 (2022)、「宮若国際芸術トリエンナーレTRAiART」MEDIA BASE /福岡 (2021)、「『デイジーチェーン』トーキョーアーツアンドスペース レジデンス 2020 成果発表展」トーキョーアーツアンド スペース本郷 / 東京 (2020)など。また、「アーティスト・イン・レジデンス プログラム2021」国際芸術センター青森 / 青森 (2021)、「クリエーター・イン・レジデンス」(国内クリエーター制作交流プログラム) トーキョーアーツアンドスペース / 東京 (2019)、バーモント・スタジオ・センター / バーモント、アメリカ (2018)などのレジデンスプログラムに参加している。