ストーリーテラー | Storytellers -Through the lens of contemporaneity Vol.4 リーレン・ヂャン 

ストーリーテラー | Storytellers -Through the lens of contemporaneity
Vol.4 リーレン・ヂャン 

2022.11.25 - 12.7
2022.12.9 - 12.21

©Li-Ren Chang, Courtesy of the artist, nichido contemporary art and Chi-Wen Gallery
Press Release

Vol.4 リーレン・ヂャン Li-Ren Chang
12/9(金)~ 12/21(水) *Kindly supported by Chi-Wen Gallery

場所:nca | nichido contemporary art
営業時間:火 – 土 11:00 – 19:00(日・月・祝日休廊)
Vol.1 ソクチャンリナ・リム (Sokchanlina Lim)10/28(金)~ 11/9(水)
Vol.2 ティントン・チャン(Ting-Tong Chang)11/11(金)~ 11/23(水)
Vol.3 サマック・ゴーセム (Samak Kosem) 11/25(金)~ 12/7(水)
Vol.4 リーレン・ヂャン (Li-Ren Chang) 12/9(金)~ 12/21(水)

nca | nichido contemporary artは、映像表現にフォーカスした、国際的に活躍するアジアのアーティスト4名によるグループ展、「Storytellers | ストーリーテラー -Through the lens of contemporaneity /映像表現の現在」を開催いたします。
映像表現は、ドクメンタやビエンナーレ、トリエンナーレなどの大規模な国際展で多く展示され、ここ数年は特に増加傾向にあります。その表現はパフォーマンスやオブジェクトを取り入れた映像インスタレーションや、5感を刺激するものなど多岐にわたり、注目を集めてきました。本展では、歴史を横断しながら各々の自国が抱える現在の様々な問題を、ビデオを中心にユニークな手法で表現するアーティスト4名を選出し、展示期間を分け、個展形式で順に発表いたします。

Vol.3 サマック・ゴーセム
サマック・ゴーセム(1984年バンコク生まれ、在住)は、継続中の研究課題であるタイの深南部におけるイスラム教文化やジン(精霊)、人間以外の動物との関係を作品のテーマの核としています。マスメディアによって描写される紛争や混乱のイメージに替わり、ゴーセムは性や宗教への社会的圧力や暴力を表現するためのツールとして、動物(羊)と風景(波)を用います。また、イスラム文化においてどのようにクィアネスが宿るのかを考察しています。クイア(性的少数者)であること、またイスラム教徒であることはゴーセムにとってのアイデンティでもあります。
本展メインスペースで発表する最新映像作品「We all have ghosts that don't let us sleep / 私たちは皆眠りを妨げる幽霊を持っている」はタイ南部の仏教徒とイスラム教徒のコミュニティにおける空間政治を問うものです。巨大な岩の下には宝物が隠されていて、その持ち主の継承者が海に岩を投げるのを待っているという地方の信仰を象徴とし、イスラム教徒の青年が必死に岩を海に押し込もうとしています。この行為を通して海辺の住人であるイスラム教徒の海岸侵犯の議論、地域の人々の政治体制の親和性が徐々現れてきます。

Vol.4 ヂャン・リーレン
台湾出身のヂャン・リーレン(b.1983)は、想像と現実の間に存在する仮想世界を創造し、映像インスタレーションやアニメーションで表現しています。本作、「Battle City(バトルシティ)」はリーレン自身が個人的に体験した青春時の苦悩、経済成長、社会階級の現実などを背景に、社会、メディア、大国、宗教などの今抱えるさまざまな問題を取り入れて風刺した超大作アニメーション作品です。エピソード1「台湾の栄光」では社会経済的地位の低い無名の一般人、「陳志強(チャン・ジーチャン)」の個人的なストーリーから、台湾全土、そして世界を巻き込む大事件へと急展開を迎えることで国家間の関係や歴史背景を浮き彫りにしています。本展で発表するエピソード2, 「経済の奇跡」では、ある一部の都市に生まれた新しい都市モデルを創造することで極端な資本主義の脅威、その枠組みにおいて疎外される人々に焦点を当てます。映像内に登場する模型は全て作家の手で作られ、本作品の制作過程そのものがヂャンの究極の目的であり、ヂャンのライフワークといえます。手法は演劇的なスタイルを用い、1人のパフォーマー(リーレン)が複数の役を演じること(俳優や女優、スタッフなど、手袋人形劇によく見られる方法)で、現実世界のコンテンツを演出するだけでなく、実験的なライフパフォーマンスでもあるのです。

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