マリナ・ラインガンツ「Dot line   Line dot」

マリナ・ラインガンツ
「Dot line
  Line dot」

2016 2.19 - 4.2

オープニングレセプション
2.19 (金) 18:00 - 20:00


*アーティスト・トーク「Brazilian Contemporary Art Talks」
場所:駐日ブラジル大使館内AUDITORIUM 日時:2月22日 (月) 18:00~

©Marina Rheingantz
Press Release

場所:nca | nichido contemporary art
会期:2016年2月19日(金)- 2016年4月2日(土)
営業時間:火 – 土 11:00 – 19:00 (日・月・祝 休廊)
レセプション:2月19日(金)18:00 – 20:00 (作家も在廊いたします。)

*アーティスト・トーク「Brazilian Contemporary Art Talks」
場所:駐日ブラジル大使館内AUDITORIUM 日時:2月22日 (月) 18:00~

nca | nichido contemporary artはブラジル出身の注目若手アーティスト、マリナ・ラインガンツによる日本初個展を開催いたします。
ラインガンツは自身の体験や記憶、写真をもとに、幾何学的に縮小させた風景画を描いています。落ち着いた静かな色合いのなかにある豊富な色彩と質感が作用し、独特の世界を創ります。
本展では、ブラジル北東部に位置する世界最大の乾燥地帯カーティンガの風景を描いたシリーズを中心に、最新のペインティングを13点発表いたします。


マリーナ・ラインガンツは、1983年、サンパウロ州アララクアラ市に生まれ、FAAP(サンパウロ総合大学)の美術学部に入学し、絵画を専攻していたが、在学中からその才能は注目されていた。卒業後は若手芸術家集団「2000e8」の会員に加入し、更に制作活動を活発化させている。
最近はサンパウロ文化センター(2012)やマリア・アントーニア大学センター(2011)などにおける個展開催のほかに、特筆される企画展招待として、リオのIMS文化センターでの“何処でもない場所”展(2013)、サンパウロのトミエオオタケ美術館での“最初の10年間”展(2012)、第6回クリチーバ・ビエンナーレ(2011)などにも出展している。また、彼女の作品はサンパウロ州立美術館「ピナコテッカ」をはじめとする、4ヶ所のコレクションに収蔵されている。
今回初の日本展となる13点の作品が、「日動コンテンポラリーアート」において発表されることになったが、これを送り出した「フォルテス・ヴィラッサ・ギャラリー」は、ブラジルはもとより国際的にもよく知られている現代美術専門の画廊で、2008年以来ラインガンツを毎年取り上げてきている。
近年ブラジル美術界で話題となっている210年創立の”PIPA”展は、毎年30名前後の推薦委員の指名によって約70名の現役作家が選ばれ、“ブラジル現代美術界への窓”と呼ばれているが、ラインガンツはこれまで5回指名を受けている。最終的には4名の専門家による選考委員が最も表現性と現代性に富んでいると認める作家4名をその中から選定し、リオ近代美術館において”PIPA"展を開催している。ラインガンツは昨年その中の一人に選ばれて展示しているが、最終的に行われたグランプリ選考には惜しくも外れた。
彼女は自作について次のように語っている。『私の絵は通常風景画と言われているものですが、現実を再現するものではありません。場所を描写しないのです。私にとって絵とは、もっと開かれた存在なのです。最初はそこに何もありません。でも何も無いところから始まって、やがてそこに風景が現れてくるのです。私はこのやり方が気に入っています。絵というのは、いろいろなことを呼び起こしてくれます。時には予想していなかったことまで見せてくれます。それは楽しい会話といえるでしょう。私が絵を描くときには、それは私が望むかどうか関係なく現れるので、そのための場所をいつも空けておくのです。』
こうした言葉を頭に入れて作品を見ると、彼女の風景画らしきものは実は心の中に生まれた状景であることが分かる。つまりそれは現実の風景を前にしてインスパイアされたもう一つの風景であり、絵画構成なのである。私は彼女の作品群を見ていて何故かアメリカ西海岸の巨匠リチャード・ディーベンコーンを思い出した。一番描きたい部分をきっちり押さえたら、残りはさりげなく塗りこめて行くさまがよく似ていたからである。ブラジルは大自然が美しいところである。海岸でも、森林でも、草原でも、その壮大なスケール感は人間の想像力を遥かに超えている。若いラインガンツは自分の創作の限界を自覚して、自然から受ける啓示を待ち受けているのかもしれない。


金澤 毅 
美術評論家


マリナ・ラインガンツ (1983年ブラジル、アララカラ生まれ。現在サンパウロを拠点に制作活動中。)
主な個展 : Independent Projects, New York (2014), Galeria Fortes Vilaça, São Paulo (2013), Centro Cultural São Paulo, São Paulo (2012), Centro Universitário Maria Antonia USP, São Paulo (2011), Camping, Galeria Fortes Vilaça, São Paulo (2010), Galpão Fortes Vilaça, São Paulo (2008) Escola São Paulo, São Paulo (2008) 
近年の主なグループ展 : Museu de Arte Moderna do Rio de Janeiro, Rio de Janeiro (2015), Centro Cultural São Paulo, São Paulo (2015), The Museum of Fine Arts, Gifu (2015), The Rubell Family Collection / Contemporary Arts Foundation, Miami (2015) 他多数。*現在ラインガンツは、マイアミの美術館ルベル・ファミリー・コレクションにて2016年5月28日まで開催されている「ノー・マンズ・ランド」女性アーティスト展に参加し、一部屋の個展形式で3点の大作を展示している。
受賞歴 : Delfina Foundation, London (2015), Menção honrosa - 4º Salão de Artes Plásticas Alfredo Mucci, Extrema, Brasil (2005) パブリックコレクション: Centro Cultural São Paulo, Instituto Itaú Cultural, Instituto Figueiredo Ferraz, Ribeirão Preto, Pinacoteca do Estado de São Paulo, The Rubell Family Collection / Contemporary Arts Foundation


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