山口裕美プレゼンツ;石塚隆則「霊獣」展

山口裕美プレゼンツ;
石塚隆則「霊獣」展

2009 9.4 - 9.19

* レセプション:
9/4(金)18:00 - 20:00


Press Release

山口裕美プレゼンツ;
石塚隆則「霊獣」展

会場:nca | nichido contemporary art
会期:2009年9月4日(金)-9月19日(土)
営業時間:火 – 土 11:00 – 19:00 (日・月・祝 休廊)
レセプション:9月4日(金)18:00 – 20:00

この度、nca | nichido contemporary artは、山口裕美プレゼンツ;石塚隆則「霊獣」展を開催いたしますのでご案内申し上げます。今展覧会にて、石塚の未発表彫刻作品、ペインティングを発表いたします。

「霊獣」展によせて
かつて日本は森だらけであった。私達の祖先にとっての森は、神聖であり、かけがえのない場所だったのだ。森には宮崎駿の描く豊穣な里山や小説「月山」のような厳格な山、さらには中上健次や折口信夫の描く日本の魂の原点的イメージもある。人智を超えた奥深い神聖な魅力を持ち、命のスープをたぎらせる場所。私が住んだフランクフルトの北側には鬱蒼とした森のタウナス山があり、散歩に行くことを意味するSpazieren gehenは、哲学的思考をするニュアンスを含んでいた。けれども、現在の東京では、散歩は街歩きのことだし、思索に耽ること自体が失われつつある。魑魅魍魎が徘徊する森が懐かしい。
 石塚隆則は画家として知り合った。ところが、このところずっと木彫に集中していて、スタジオを訪問して言葉を失った。奇妙な動物達が肩を寄せ合うように立ち往生していたからだ。彼らは間違いなく「森」からやってきていた。生々しく生命力の強そうな、不気味で狡猾な、愛らしい生き物達。本能のままに生き、喰らい、孕み、生み、死んでいく動物達は石塚隆則の手で、命を点けられた。久しぶりの泥臭い木彫の登場はncaをひとときだけ「森の出張所」にするだろう。
山口 裕美

<石塚 隆則>
1970年 神奈川県生まれ。近年の主な個展;「毳モノ~ケモノ」DISCO,横浜(2006)、「タベルちゃん」リトルモア・ギャラリー、東京(2005)、「Wa☆ショイ!」マキイマサル・ファインアーツ、東京(2005)、「Landscape of White Lovers~恋人たちのいる風景」ラフォーレ原宿BARROW GANG、東京(2004)、グループ展;「magical art life –あるコレクターの世界」 トーキョーワンダーサイト渋谷(2006)、「大KATHY展」リトルモア・ギャラリー、東京 (2005)、「カフェ・イン・水戸2004」 水戸芸術館及び水戸市立博物館など
主な掲載書籍 / 記事; 「Warriors of Art」山口裕美著(講談社インターナショナル)/ 「The Power of Japanese Contemporary Art」山口裕美著(アスキー)、「美術手帖」2005年5月号など

<山口 裕美>
アートプロデューサー。現代アートジャーナリスト。アーティストをもっとも近くから応援するその活動から「現代アートのチアリーダー」の異名を持つ。96年よりウェブサイト、TOKYO TRASHを主宰。アート系NPO法人・芸術振興市民の会(CLA)理事。eAT金沢99総合プロデューサー。ARS ELECTRONICA2004 ネットビジョン審査員。2004年総務省情報通信ソフト懇親会デジタルコンテンツワーキンググループ「新しいコンテンツ政策を考える研究会委員。2007年劇的3時間SHOWキュレーター。著書に「現代アート入門の入門」(光文社新書)「Warriors of Art」(講談社インターナショナル)など多数。 

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