佐内 正史 -Odysseia-

佐内 正史 -Odysseia-

2006 03.10 - 04.01

Press Release

佐内正史新作展
「odysseia」 (オデュッセイア)
2006年3月10日(金)- 4月1日(土)
レセプション  3月10日(金)18:00 - 20:00
営業時間  火-土 11:00 - 19:00 休廊:日月祝
この度、nichido contemporary artは、佐内正史による新作展を開催致します。
前回2003年7月の個展以降に撮り下ろされた30数点を展示、発表いたします。
展覧会タイトル“オデュッセイア”は、伝説的な詩人ホメロスの作とされる古代ギリシアの叙事詩です。王である英雄オデュッセウスが各地を放浪して行った貴種流離譚の冒険で、自分探しの長い航海を綴った物語です。紀元前8世紀頃に成立し、盲目の吟遊詩人たちが音楽と共に吟唱しました。
佐内正史の写真作品は、詩的で、捉えどころのない不思議なオーラを纏っています。日ごろ私たちは、ふと、一人に立ち返り、自ら歩んできた記憶の軌跡を辿ります。印象に残る強いイメージは、時に私たちを虜にしたり、自由にしてくれたり、過去から遠い未来へと自在に連れていってくれます。私たちは現実の狭間で自己存在を見いだそうとします。佐内は、さまざまなイメージが飛び交う街角の風景や、自然の中に溶け込む、内的な空間世界を一瞬の内に捉え作品へと昇華させます。時には異次元への扉であったり、空や水に映し出された私たちのイマジネーションであったりと、それは、「どこでもあって、どこでもない風景」なのです。佐内の撮る心象風景は、詩的で、透明感があり、自身を消し去ることから始まっているのです。そして、観る者をフレームという枠から飛び越えた自分探しの旅“オデュッセイア”へと誘ってくれるのです。
略歴
1968年静岡生まれ。24歳から写真を始める。1995年「キャノン写真新世紀」でデビューを果たす。2002年木村伊兵衛写真賞受賞。作家の視点から切り取ったリアリティを独自の感性で表現し、日本のクリエイティブシーンで幅広く活動する。同時に写真集制作にも力を注ぎ、初の写真集「生きている」(1997)以来、すでに10冊以上を世に送り出す。2005年には、「a girl like you ? 君になりたい。」「日々はそれでも輝いて」「Windows and Applen」を出版。2006年は第3弾佐内事務所出版写真集「THEME」(仮)を制作進行中。2004年7月にはnichido contemporary artにおいて「sukh」を発表、本展覧会は当ギャラリーにおける第二回目の個展となる。

nca ディレクター 竹田 仁

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