カンサイボイス ―A journey through painting today―

カンサイボイス ―A journey through painting today―

2020 12.18 - 2021 2.6

冬期休廊のお知らせ
2020年12月29日(火)から2021年1月11日(月)まで冬期休廊とさせていただきます。

Press Release

KANSAI VOICES | カンサイボイス
―A journey through painting today― 

会場:nca | nichido contemporary art
会期:2020年12月18日(金)-2021年2月6日(土)
営業時間:火 – 土 11:00 – 19:00 (日・月・祝 休廊)*冬季休廊:2020年12月29日~2021年1月11日(月)
Artist: 東 慎也 Shinya Azuma / 今西 真也 Shinya Imanishi / 竹内 義博 Yoshihiro Takeuchi
山本 捷平 Shohei Yamamoto / 吉岡 寛晃 / Hiroaki Yoshioka
*展覧会初日12/18(金)は20:00まで営業します。

nca | nichido contemporary art は上記アーティストによるグループ展「KANSAI VOICES | カンサイボイス -A journey through painting today-」 展 を開催いたします。現代美術の表現は日々多様化し、既存の分野に加えて最新の技術や科学などのさまざまな領域を横断し、応用するなど早いスピードで変化しています。同時に絵画もまた、具象・抽象表現を繰り返しながら、時代を反映した新しい表現が常に生まれています。本展は、関西を拠点に、今精力的に活動している若手ペインター5名に焦点を当てています。彼らはほぼ同時代に同じ環境で絵画を学んでいます。あくまで絵画にこだわり、自身の世界感やリアリティーをどう画面に表すべきかを模索してきた各々が、それをどのように展開し、表現を確立するのか。本展のために制作された最新作を一堂に発表します。本企画は参加アーティストの一人の今西真也の協力のもとに実現しました。

東慎也(1994-)は日常生活やニュースで目にする風景を切り取り、大胆なストロークでキャンバスに表しています。また東の作品の多くに街でみかけた散歩する人、酔っぱらった人、聖人、東自身等々さまざまな人物が登場します。しかし顔の造作や身体は簡略化され、表情や人物像は読み取れません。顔を覆うように重ねて塗られた絵具が人間の表に見えない複雑な感情を隠しているようです。「絵の中においては絵具という物質で描かれた対等な存在になる」という東は、色鮮やかでユーモアのある画面の裏に人間社会に消えない社会的ヒエラルキーや外見の重要性を批判しているようです。

今西真也(1990-)はキャンバスに油絵具を厚く塗り重ね、筆致の跡を力強く残し、削っていく行為を繰り返しながら描いています。画面から距離を持つと次第に表れるイメージは、ものの変化や消失、退廃と同時に再生、蘇生や復興をも想起させる稲妻、花火、光のうつろい、蝋燭の火などをモチーフにし、死(おわり)と生(はじまり)が表裏一体の関係であることを示しています。距離や視点、位置を変えるたびに新しい表情を見せるそれは、私たちが普段目にし、認識しているものがいかに不確かさであるかを明示します。

竹内義博(1987-)はゲームの構造を絵画に取り入れようと、近年は落ちものパズルゲームの「ぷよぷよ」から着想を得て作品を制作しています。それは上方から落下してくる数種類の「ぷよぷよ」を、色を揃えるなどある条件を満たして消滅させて得点をかせぐというものです。消失されてしまったかたちは、空(ゼロ)あるいは真っ白なキャンバスを想起させます。竹内の描くランダムに並ぶ「モノ」の前では、私たちは脳内で自由に消滅、追加させて何度でも新しいイメージを構築させることができるのです。現実と虚構を行き来するイメージはアイデンティティーやコミュニケ―ションといった普遍的なテーマが背景にみえるようです。

山本捷平(1994-)は自身の興味である仏教哲学や日本文学からヒントを得て、実体とは何かという大きなテーマをもって絵画を制作しています。「・・・現象というものは時々刻々変化するものであって変化しない実体というものはありません・・」という仏教哲学の考えを基に、身体を通して生まれる偶然性や、絵具を消費していく過程で徐々にイメージがかすれていく様を受け入れながら山本は自作ローラーを使ってキャンバスにイメージの反復を繰り返しながら構築していきます。コピー&ペーストというデジタル技術をあえてアナログの手法で画面に痕跡を残すことで、現代の膨大なデータにあふれる情報社会に警鐘を鳴らすとともに、改めてオリジナルと複製、引用と複製の関係を再考させます。

吉岡寛晃(1993 -)は絵画における平面を表現する行為や慣習、色彩の作用に焦点を当て、自身やその環境の相互依存関係について考察しています。2015年以降の展覧会は、正確さとカオス、オリジナルとコピー、単一と複数、過程と存在の間の緊張をまとめて探求する作品群によって構成されています。「鑑賞者は『作品が何と関係するか』『素因は何か』などの解釈を視覚的表面から得る必要はありません。」という吉岡の作品は視覚言語や記号論を介して何かを示しているのではなく、作品としての材料そのものが観者のアイデンティティの撹乱、また鑑賞方法の捉え直しを推しているかのようです。

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