ブラッドレー・マッカラム & ジャクリーヌ・タリー -Endurance-

ブラッドレー・マッカラム & ジャクリーヌ・タリー -Endurance-

2005 07.05 - 07.30

Press Release

Bradley McCallum & Jacqueline Tarry
―ENDURANCE―
ブラッドレー・マッカラム & ジャクリーヌ・タリー
「エンデュランス」

2005年7月5日(火)~30日(土)
火-土 11:00-19:00  休廊 日・月・祝
レセプション 7月5日(火)

*同時開催
トーキョーワンダーサイト渋谷 7月23日~8月14日
〒150-0041 渋谷区神南1-19-8 
tel 03-3463-0603 www.tokyo-ws.org

この度、nichido contemporary artは、ブラッドリー・マッカラムとジャクリーヌ・タリ-による「エンデュランス」を発表いたします。本展は、トーキョーワンダーサイト渋谷との同時開催となります。

シアトルの街角。そこにひとり無言で立つティーンエイジャー。彼は無言で立ち続け、じっとカメラを見据えている。通りを歩く人々は彼がそこに立っていることを気づくこともなく、足早に通り過ぎてゆく。かれらはホームレスだ。映像には、一人ひとりがストリートで死んでいった彼らの友人たちの話を語るモノローグがつけられている。ブラッドレー・マッカラム+ジャクリーヌ・タリーによる「エンデュランス」は2002年8月5日から6日にかけて25時間26人のホームレスたちの姿を記録したビデオドキュメント作品と彼らホームレスのティーンエイジャーの大判のポートレート写真作品で構成されている。

一人ひとりがカメラを真正面から見据える、手焼きの大判のポートレート・シリーズは被写体一人ひとりのずっしりとした存在感、美しさと強さに満ちている。説明を聞かなければ彼らがホームレスだとはわからないだろう。そして、25時間のドキュメントが2時間に短縮されたビデオ作品は、悲しさと美しさ、存在感、社会の矛盾、わりきれなさなどが入り混じった手ごたえのある作品となっている。

また、この作品が生まれた経緯も興味深い。ホームレスをサポートする人々が、彼らの存在を知らせるためにアーティストと共同する計画を立て、30人ほどのアーティストをリストアップし、最後に5人のアーティストたちをホームレスたちが(!)インタビューした。タフな質問が飛び交うインタビューの末、最終的にマッカラムとタリーが選ばれることとなった。

マッカラムとタリーは、これまでも都市における暴力の問題、アメリカ社会における黒人差別問題など、社会的な問題をテーマに取り扱ってきた。「エンデュランス」は、その中でももっとも個人の重さを感じさせる作品となっている。社会的なテーマを単に概念として扱うのではなく、逆にパーソナルな存在感やナラティブななかに社会の問題を浮かび上がらせるというアプローチは、911以降、社会とアートがどのような関わりをもちうるかについて、大きな方向性を示しているといえるだろう。

http://www.conjunctionarts.org/endurance/

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